夏休みが終わって、
今夏の読書感想文を振り返って
気付いたのは、
子どもたちの想像力の低下?
いや、低下というよりは、
自分以外への興味のなさの表れかも?
もし自分がこの主人公の立場だったら?
もし自分がこんなに大変なことに巻き込まれたら?
いろいろとアプローチするものの、
「わかんない」
「きょうみないし」
そんな言葉が返ってくる。
原稿用紙に立派な作文を書くことが大切なのではなく、
リアルでは体験できない世界を本のなかで体験し、
自分とは違う価値観・世界観をうっすらでいいから体験すること。
それが大事だと思うのだけれど。
他人に対して無関心。
いま起きていることにも無関心。
将来に対しても無関心。
これまで書けていた子たちのなかにも思考が停止していく傾向が見られた。
これまで指導してきた「書けない子」の特徴は、
「こんなことを書いてはいけない」という自らかけているブレーキだった。
でも、最近は違うように思う。
「作文なんて書いて意味ある?」「読むの面倒だし」「時間ない」


まんが読書感想文コンクールを目指した子どもたちのほうがのびやかだったね。
「推し」に対する気持ちがあふれているいい作文が書けていた。
作文だ、小論文だという前に、
まずは共感する力を日常的に養ったほうがいいのではないかと思う。
人の気持ちになって考えられることが大事だと思う。


非営利の教室です!

シークレットベースは、塾とは違います。かといって、単なるサークルとも言えない。NPOにしたらとよくアドバイスをいただきますが、NPO法人の細々とした事務仕事にまで手が回らないのが実情です。そちらに回す時間があるくらいなら、子どもたちのために使います。子どもたちといろいろチャレンジしています。

■海の公園作文教室 3回/月 
土曜日・金曜日
講師:松﨑雅美

1回目→意見出し(メモづくり)
2回目→下書き
3回目→清書


■杉田作文教室 2回/月(日)定員10
講師:松﨑雅美
1回目12:30~14:30(意見出し・下書き)
2回目12:30~13:30(清書)


■杉田小論文教室 2回/月(日)定員10
講師:三ツ橋裕美子
1回目12:30~14:30(テーマレクチャーと論述)
2回目12:30~13:30(リライト)

※小論文教室は、外部からの参加はできません。参加希望の場合は、まず作文教室に参加してください。


■歴史総合要約クラス
講師:松﨑雅美・三ツ橋裕美子
世界史と日本史のつながりを描いたオリジナル文を読み200字に要約します。
要約の基礎を学びつつ、歴史も学べる一石二鳥な特別クラス。
作文教室・小論文教室の生徒のみ参加できます。
月1回30分
※土曜日クラスは1回目の前後、日曜日クラスは2回目の後に行います。


■DIET こども国会
子どもたち自らが決めた議題について、調査・議論します。目標は、3か月に1度、プレゼンと採択を行うこと。
※DIETは無党派です。特定の政党を応援することはありません!
月2回 日曜日 15:00~16:30

■職業体験ワークショップ

楽しんで終わりの体験ではなく、試行錯誤を繰り返し実践の場を得られるワークショップを目指します。

不定期開催。開催時は詳細をアップします。

教室理念

目先の受験やテストではなく、社会に出たときに役立つ思考力を育てること。
多様なWSで思考に必要な種をまき、作文を通して思考の習慣づけを行い、社会に出たときに役立つ力としていきます。

取り組み

生徒が先生になる!
やりたいことが明確で、当教室の環境がその生徒の学びにつながると判断した場合は、試作・試行の場として提供します。その生徒をとことんサポートします。

声を聞く

子どもたちが何を求め、どうしたいのか、どうしてほしいのか。できる限り耳を傾けようと思っています。作文教室にいるときくらいは、子どもたちが肩の力を抜いていられるようにしたいと思っています。
(聞きすぎているような気がしなくもありませんが……)

指導方針

作文は表現のためのツール

作文という作業に対する嫌悪感、抵抗感を多くの子どもが抱いています。それは、これまでの教育の悪影響にほかなりません。
作文に書いてはいけないことなんてほとんどありません。親や先生にほめられるために書くわけでもありません。
作文は表現ツールにすぎません。別に書けなくても構わないのです。でも、この作文というツールが使いこなせると、いいことがたくさんあります。

体験が思考につながる

考えるためには知識が必要です。本を読んだり勉強したり、知識を得るためにはいろいろな方法があります。当教室では、合宿やワークショップを通してリアルな体験をし、それを思考につなげたいと考えています。それも、「おぼえるぞー!」とか「勉強するぞ!」といった強制的な方法ではなく、知らないうちに思考の習慣づけができているように、楽しい体験を用意していきます。

机上以外の学びを大切に

どうしても受験をクリアするための勉強に偏りがちな昨今だからこそ、受験勉強のためではない学びを大切にしたいと考えています。
料理をする、下の子の面倒をみる、思い切り遊んでみる……など、さまざまなかたちで学びを深めていきます。
そのために必要な環境を用意すること、それが当教室の使命の一つかもしれません。

何事も常に意識

2024年は、2018年の岐阜合宿以来続けてきた防災学習の集大成となる防災・作文合宿を行いました。4月から月に1回のペースで防災ワークショップを行い、防災への意識を高めてきました。やはり、東日本大震災の爪痕をその目で見た子どもたちの意識はがらりと変わりました。語り部さんの話にも心が揺さぶられたようでした。
2024の防災プログラムは全て終了しましたが、来年以降も、シークレットベースだからこそできる防災学習を取り入れていきたいと思っています。

【防災・作文合宿】
感想、そして、伝承

2024年8月4日(日)いわき駅からチャーターした観光バスに乗り込み、双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館に向かいました。常磐道は貸し切り状態、ほとんど走る車がいませんでした。等間隔で設置された放射能の線量計が福島第一原発の近さを知らせていました。
運転手さんが言うには、「平日は廃炉作業に向かう車でもっと混んでいますよ。今日は日曜日だから」。
まずそこで違和感を覚えました。
夏休みの日曜日ですよ? 常磐道を使って観光に出向いたり規制したりする人はいないのですか?
そんな言葉が浮かびましたが、心のうちにとどめました。

常磐道を下りて伝承館へ向かう道程は、違和感の連続でした。
国道からの枝道はバリケードで封鎖されている……。
道路わきの家々は木に覆われている……。家の外回りはきれいなのに、ずたずたに引き裂かれたカーテンの家、家のなかに泥が堆積している家……。
ニュースで見聞きしていた福島とまるで違うのです。

伝承館は、鮮やかな緑の野原にたたずむそれはきれいな建物でした。青空にもよく映えます。でも、その広すぎる……緑が鮮やかすぎる野原がまた違和感を与えました。それを見た中学生が「異世界に入り込んだようだった」と作文に書いていました。
野原の向こうに見える海。屋上に上がれば廃炉作業中のクレーンが見えるとスタッフの方が教えてくれました。
福島第一原発から4キロほどの距離。
まだここは復興の途上にあるのです。
東日本大震災から13年が経ちました。
人災……原発による被害はまだ終わっていませんでした。

見なければなりません。聞かなければなりません。
それから、考えなくてはなりません。
防災グッズをそろえる、水を買いためる……それだけで防災意識が高まるわけではないのです。